膝の痛みは「軟骨の傷み」?内側広筋ストレッチで解消!

最近は、ほとんどの生活様式も洋風になり、フローリングにソファー、トイレは洋式で、畳の上で正座したり、和式トイレでしゃんがんだりする機会がとんと減ってしまいました。そのため、ふと気がつくと正座がしにくい、出来ないという人が増えています。

正座は、大腿の筋肉を最大限とはいかないまでもある程度は伸ばしてくれます。
ですが、痛いために正座を避け、ともすれば「正座が出来なくても生活には支障はない」と開き直っている方もおいでます。そこのところは個人の考え方ですから、良しとしましょう。

ちなみに、大腿の筋肉は「大腿四頭筋」と呼ばれるように四つの筋肉が集まっています。内側広筋、大腿直筋、中間広筋、外側広筋です。その中で一番反応が早く、瞬発力があり筋力があるのが内側広筋ですが、それ故一番先にエネルギー危機に陥りへたってしまいます。
慣れない登山や、日頃の運動不足を忘れて全力疾走した後などにおきる膝のがくつき、俗に「膝が笑う」という現象も、この内側広筋がバテて膝を支えられなくなり起きるものです。
正座をすると痛くなるのも、内側広筋がこわばってスムースに伸びたり縮んだりしないことが原因です。

内側広筋 大川接骨院(金沢)


内側広筋
「Clinical massage」James H.clay/David M.pounds著・医道の日本社刊

スポーツや事故などで骨損傷や靭帯損傷をおこした痛みは、それなりの固定と安静は必要です。
しかし、軽いジョギングやウォーキングで、ともすれば何も覚えが無く、いつの間にか徐々に痛くなってきたと言われる方のほうが多いのが事実です。

そういう患者さんに「正座は良くありませんよ、無理しないで安静に。」などと説明される先生もおられます・・・
(聞くところによると正座をすると軟骨を痛めるそうですから???)。
どれだけこれ以上膝の筋肉を硬縮させたいのでしょうか?硬くなって縮こまっているから痛いんです。

安静にしても痛みが引かないということで、今度は半月板にでも話を持っていくのでしょう。
MRIで半月板がどうこうと言ったかと思えば、関節鏡・・・悪くなっている筋肉にさらにメスで傷をつける・・・筋肉の疾患なのに筋肉を除いたすべての検査がなされます。

近頃はヒアルロン酸の関節内注射が流行っているみたいですが、ヒアルロン酸の分子量は500万です。よって軟骨に直接吸収されるのは水分ぐらい、まぁ機械に油を差して動きを滑らかにするようなものなのでしょう。
放っておいても、軟骨同士の摩擦係数は氷の上をスケートで滑ることよりまだ0がひとつ多い0.00幾つなのに、まだ滑らかさが足りないとでも・・・?

スポーツや事故でもない、日常生活の中からの膝の痛みの原因は、筋肉が縮んで関節を押し固め、その結果、関節運動が阻害されているだけだと思いますが、関節の中に原因を見いだすとは、さすがに目の付け所が違います。

そもそも、MRIやレントゲンの画像で軟骨(半月板)が磨り減っている傾向が見られた時に、膝の関節の境目(大腿骨と脛骨の合わさり目)を押し、「ほら、やっぱりここが痛いでしょう、ここの軟骨が傷んでいるんですよ。」などと言われること自体に疑問を持った方がいいと思います。
中には「いやぁ、さすがに膝で有名な先生だ、痛い所をピタリと当てる!」と、感心しきりな患者さんもおいでるようですが、押されているのは「筋肉」ですから。
軟骨が、押さえて痛みが出る組織であるのなら、どんなに健康な人であっても、、普通に立っただけで体重がかかるすべての関節が痛み出すでしょう。

やっかいなのが、軟骨を押さえたつもりになって、そこから痛みが出ていると、本気で思って疑わない先生がおいでることです。
そうなると余計始末が悪くなります。手術の話が出てきます。
それに、TVや健康本などで、お偉い先生方が軟骨、軟骨と、痛みの原因がそれに尽きるかの如く言われれば、素人さんでなくても信じ込みます。

高齢でも元気にスポーツや登山を楽しまれている方はたくさんおられます。そういう方々を集めてMRIで膝の検診をすれば、たぶん、一人としてまともな軟骨の持ち主はいないでしょう。

あまり骨や軟骨などは気にせず、正座がしにくくなれば、まずは浴槽の中で練習してください。温まり、筋肉も柔らかくなり、幾分かは正座が楽になるでしょう。

大腿の筋肉をのばすストレッチ


大腿の筋肉をのばすストレッチ
「トリガーポイントと筋筋膜療法マニュアル」Dimitrios Kostopoulos & konstantine Rizopoulos著・医道の日本社刊

上の写真のストレッチをして、まだ余裕があれば、床の上で正座をして、そのままゆっくりと後ろに手を着きながら床に背中がつくまで後ろに倒れてみてください。ゆっくりと、です。 ドスンといくと痛い目をみますので、最初は誰かに支えてもらったほうが無難です。 これで大腿の筋肉は完全に伸びます。

「痛いのは筋肉」です。世間の常識が必ずしも正しいとは限りませんよ。

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