年齢を重ねるにつれ、軟骨は磨り減るなり水分が少なくなりへたったりします。 しかし、そのことにより膝関節の変形を認めるものの、直接痛みに結びつくものではありません。

ものすごくO脚な人、X脚な人でも、痛みに無縁な人もたくさんおられます。なぜなら、軟骨組織、骨には痛みを感じる神経(痛覚神経)が無いからです。
たとえば、骨折の治療が不完全な場合に起こる偽関節、骨が癒合しなくてそこが関節のようにグラグラ動いているものですが、これなどは軟骨を介さずもろに骨と骨が擦れ合っています。それでも本人は痛くはありません。
スポーツ選手が骨折をしてボルトやネジで骨を固定しますが、手術後骨に打ち込まれたその異物の痛みは感じません。

膝の痛みで受診される高齢者の場合、ほとんどが内側の大腿骨と下腿骨の合わさり目の痛みを訴えられます。
たいがいの先生方は「ここは軟骨の擦れる所なので、磨り減れば当然痛くなります。」と、素人に優しくわかりやすいように説明がなされますが、先程書いたようにボルトやネジを打ち込んでも痛みを感じない組織は、磨り減っても痛みを感じません。
痛みを感じるのならば、人工関節を打ち込まれた患者さんは手術直後から激痛の対象になるでしょう。

体の関節はすべて軟骨と軟骨が擦れ合うことで成立しています。
もし軟骨が圧迫や摩擦による刺激を感じるとすれば、下半身の関節すべてが上半身の重みにより常に痛みを感じていなければなりません。ましてや運動選手などは力が加わったその瞬間にものすごい激痛に襲われることでしょう。

それならば、痛みはどこからのものか?
骨や軟骨でないとすれば、残る組織は筋肉しかありません。神経線維は筋肉に分布して痛みを感じとります。ひどい変形があっても筋肉に柔軟性があれば何の症状も出ません。
筋肉が短縮し、こわばってくれば筋肉内に硬結が生じ、神経のセンサーは痛みの元としてそれを感知します。温熱治療やマッサージ等で柔らかくすれば、その手の痛みはほとんど治ります。

では、なぜ?
チタンやプラスチックなどを関節に被せたり、打ち込んだりする手術が頻繁に行われているのでしょうか?一部の関節の破壊性のある疾患なら別ですが。
曲がった膝の美容目的?手術の経験回数かせぎ? 

膝に水が溜まることはよくあります。水を抜いて、さらに溜まれば今度は水を出す滑膜を剥ぎ取ります。
なぜ、水が溜まるかについてはあまり関心が持たれていません。せいぜい軟骨表面から剥がれたフィブリンなるものの滑膜への付着によるための炎症だろう、というところがせいぜいでしょう。
しかし、大腿の筋肉の短縮による膝蓋骨(お皿)の圧迫によるによる刺激のための滑膜の炎症だという事を支持する先生は少数です。これこそが、手術量を増やしている要因かも知れません。 やはり大きなメディアに出ている先生方の意見のほうが世間に信用されやすいようです。

どこの整形で診察しても大腿の筋肉の話しに触れる先生はあまりいません。ほとんどのドクターは大腿の筋肉を鍛えなければそれだけ関節の負担がかかるとの説明で終わります。
こわばった筋肉はいくら鍛えようとしても強くはなりません。柔らかいから初めて筋力が効果的にいきわたるのです。

昔々の教科書に書いてあるような説明に患者さんはなぜ納得するのか?
日本人は純粋すぎるのか?